こんにちは、山岳栄養士(管理栄養士)の陸です。
今回は前回の記事が長くなるので書けなかった梅に含まれる『クエン酸』と『補給食』について解説します。
登山に限らず、運動する人であれば一度は興味を持ったことがあるであろう『クエン酸』
クエン酸はエネルギー効率を高める!クエン酸は疲労回復になる!などなど、運動する人にとっては必須の効果が囁かれています。
果たして、クエン酸がエネルギー効率を高めるのでしょうか?
確かに、短距離的な短時間での運動パフォーマンスを上げる報告はありますが、登山は長時間運動です。
なので、今回はクエン酸をとるならどのタイミング?と補給食の栄養素を解説します。
1,クエン酸は運動前より終盤のほうがいい?
今回の登山で作った山ごはん『梅ツナ冷やしうどん』
梅といえば『クエン酸』をイメージする人が多いと思ったので今回はクエン酸を深堀りすることにしました。
世間的には『クエン酸がエネルギー代謝の効率を上げる!』という風に認識されていますが、大学の授業や論文など見ても、エネルギー変換効率を上げる的な内容は見たことがありません。
まだまだ僕も発展途上なので、論文や報告などあれば教えて下さい。
で、もう一つ『疲労回復』ですが、これはある程度理論があります。
運動中に疲労を感じる原因として『筋肉が酸性に傾く』があります。
運動をすると乳酸が発生します。
そうすると、筋肉内に水素イオンが発生しpHが酸性に傾き疲労が出てきます。
クエン酸は摂取すると、体内ではアルカリ性として働きます。
酸性に傾いていた筋肉に届けられることで、中和されていき疲労が軽減できるという理論です。
クエン酸を摂ることで回復もサポートできます。
人間がエネルギーとして糖質や脂質など摂りますが、体内では糖や脂質を材料に『ATP』を作り出し、これがエネルギーとして使われます。
筋肉にも糖質が『筋グリコーゲン』として蓄えられています。
なので、この筋グリコーゲンの減少を防ぎ、合成をアップさせることで回復が促されます。
クエン酸がどう働くかと言うと、
クエン酸を摂る→ホスホフルクトキナーゼ活性が落ちる→糖質からのATP産生を低下させる→グリコーゲンの分解や摂取した糖質からのATP産生を抑える→筋グリコーゲンが溜まる→回復
しかし、筋肉の酸性化を抑えるけど、それと同時に筋肉を動かすATP産生も抑えるとなると、果たしてクエン酸は運動前に摂るべきなのかと疑問に思います。
①筋肉内を中和
②ATP産生を低下させグリコーゲン合成促進
この2点とくに②番を考慮すると、クエン酸は登り始めに摂るよりかは、登山の後半から、もしくは下山後に摂るのが良いかしれないです。
クエン酸の摂取量ですが、特に基準などは設定されておりませんが、大体1日15gまでとされています。
一度に大量に飲んだり、濃度が高い状態で飲むと胃腸に負担をかけたり、歯のエナメル質を溶かすことになるので、目安としては500mlの水に5g程度にしておいたほうが良いと思います。
酸っぱいので、なにかドリンクに入れると飲みやすいです。
2,補給食『CRUNCHY classic』
今回はこれを持っていきました。
業務スーパー『CRUNCHY classic』
材料と成分はこちらです↓
登山中の補給食って、小麦粉でできたバーやショートブレッド、白米のおにぎり、アミノ酸の粉、その他お菓子だと思いますが、それらではなかなか食物繊維が摂れません。
そもそも、運動中に置いて消化に悪い食物繊維をなぜ、わざわざ摂るのかと言うと『食物繊維は病気でもない限り不足させたくないから』です。
僕は普段から食物繊維の摂取量を意識しています。
正直、1日の登山での食事で食物繊維が不足しても、そこまで問題はありません。
しかし、ロングトレイルを歩いたり、○泊○日など山行が長くなればなるほど、補給食での食物繊維も馬鹿にできません。
なので、普段の登山から食物繊維を摂るようにしています ^^
今回『CRUNCHY classic』を選んだもう一つの理由としては『ビタミンB1』です。
成分表にビタミンB1量は書かれていませんが、原材料に『”全粒”オーツ麦』を使っているので、精製された小麦粉を使った製品よりも『ビタミンB1』が多いだろうというのが理由です。
ビタミンB1は糖質や乳酸の代謝に必要なので、運動中だけでなく米を食べる民族としては不足させたくない栄養素です。
アミノ酸スコアの違いはありますが、たんぱく質も100g当り9.4g含まれています。
ちなみに卵(アミノ酸スコア100)100g当りのたんぱく質量は12.2gです。
CRUNCHY classicは卵と違い、糖質をしっかりと含みつつ9.4gのたんぱく質が摂れるので割と優秀だなと考えています。
業務スーパーの海外産のものって、日本のものより食物繊維などが多いので、個人的に好きです ^^
ちなみにPFCバランスはこちらです↓
まとめ
いかがでしたでしょうか?
皆さんは運動する日や後にクエン酸、食物繊維を摂っていますか?
今回のまとめ
- クエン酸は運動前よりも後半や終了してから
- クエン酸は筋肉内を中和し疲労感軽減
- 筋グリコーゲン合成を高める
- 食繊繊維は普段から意識
- 食物繊維は山行が長くなると不足しやすい
それでは、ヘルシーな登山ライフを ^^
インスタグラムでは登った山や補給食など画像つきで最新情報をお届けしていますので、お時間許しましたら是非のぞいてみてくださーい
山岳栄養士のInstagram
この度、オンライでの食事や生活習慣のサポートサービスを立ち上げました。
登山のパフォーマンスを食事で上げたい、食事の相談がしたいけど周りにいない、そんなあなたのために、現役の管理栄養士がサポートさせていただきます!
管理栄養士としての目標とともにサービスを紹介しています^^
→とある管理栄養士の夢『生活習慣病減少と医療費適正化』(仮)
無料の面談も行っています^^